群馬県小野上村

*参考資料 『日本城郭体系』 『関東地方の中世城館』(東洋書林)

市城砦(小野上村村上)

*ラフ図の作成に際しては、現地案内板の図を参考にした。

 市城砦は、国道356号線が吾妻川沿いに南側から東側に大きくカーブする地点に築かれていた。国道を走っていると、すぐ前面にいきなり柵や櫓が見えてきて、そこが城址であることはすぐに把握できる。

 しかし、この国道はけっこう交通量が多いので、急には停まりづらい。また、駐車場も整備されていない。どこか近くの路肩の邪魔にならなさそうな箇所に停めて置くしかない。城址下の国道西側部分がわりと広くなっているので、そこに停めるのがよいかもしれない。

 城の登り口にも柵や門が設置され、その背後に案内板が設置されていた。市城砦は、北曲輪と南曲輪の2種の城郭から成り、城址公園として整備されているのは南曲輪の方であるらしい。

 階段を登って行けばすぐに城内に進入することができる。この部分の入口も白木の門と柵によって形成されている。パッと見て、かなりチープな印象を受ける構造物なのではあるが、往時の構造物も実際はこの程度のものであった可能性を考えると、実はリアルな復元建造物と言えるのかもしれない。この門の脇には真田の六文銭が描かれた木の楯が置かれていた。来年(2016)には大河ドラマで「真田丸」が放送される。そのため、小野上村もそれに乗っかろうとして、この砦を整備したのかもしれない。

 内部は単郭で、やや傾斜した平場があるのみである。広さも、長軸30mほどであり、そう多くの兵員を籠めておくほどの規模のものではなかったようだ。

 前面には木組みの櫓が建てられている。櫓と言っても、柱を組み合わせただけの素朴なものである。しかし、戦国期の砦の櫓といえば、この程度のものであった可能性は高いと言える。気になるのは、入り口に描かれてあった注意書き。

 「この櫓は木製であり、腐食している可能性があり、その場合は命の補償はしません」とかいったことが書いてあったようであったが、そこまで書かなくてもいいのではないかと思ってしまう。しかし、何かあったらすぐに訴えられてしまうような世相であるから、念のためにそういう注意書きをする必要があるのかもしれない。世知辛い世の中になってしまったものだ。

 また、櫓のすぐ脇には烽火台も復元されていた。そこには実際に火をつけたような跡もあった。本当の狼煙台って、このようなものだったのであろうか。


 すぐ南側の山上にある岩井堂城と共に、この市城砦は、長尾氏の白井城と吾妻勢力との中間に位置し、街道を抑える重要な拠点であった。





国道沿いの入口。チープな感じであるが、往時もこの程度のものであったかと思うと妙にリアルだったりする。 曲輪入口の柵と門。2016大河ドラマ『真田丸』にちなんでか、六文銭の楯が置いてある。
城内に建てられた櫓台。 柵と狼煙台(右側)。









































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