【姫街道2日目のつづき】 :名鉄豊川稲荷駅〜豊鉄自由が丘バス停(7.6km)

2.嵩山宿  (現在の愛知県豊橋市嵩山町)


当古橋を渡ると豊橋市になります。これまでと同じ国道362号なのですが、豊橋市に入って、ようやく「姫街道」の標識が見られるようになりました。 ようやく姫街道を歩いていると実感できます。 また、当古橋を過ぎてから緩やかな上り坂となります。

姫街道の標識

国道362号は、豊橋方面との分岐点となる和田辻交差点を過ぎると急激に交通量が減ります。 「本坂トンネル4km」の標識が出てきて、峠越えも間近の雰囲気が漂ってきます。 少し歩くと竹藪の中に、長楽一里塚跡の碑を発見。 「左 江戸より七十四里」「右 京より五十三里」と刻まれていました。

国道362号  長楽一里塚

一里塚からすぐのところに常夜灯があります。手前にある大きな岩は、一見するとただの岩のようですが、 「左 豊橋」「右 豊川」と刻まれていて道標になっています。 このY字路を左に進めば東海道吉田宿に至り、右に進めば姫街道を経て東海道御油宿に至ります。
ところで、豊橋は、江戸時代には「吉田」と言われていたのでこれは新しい道標になります。 昔ここに設置されていた道標は、近くにある長楽寺の境内に移動されたそうなので、見に行ってみました。 あまり下調べせずに現地に行ったので、どこにあるのか随分探し回りましたが、 どうやら右下写真の石仏の光背に「よし田道」と刻まれているので、これがかつての道標だと思います。 光背には「左 よし田道」「右 ごゆ道」と刻まれているそうですが、風化が激しいようです。

追分  昔の道標

一路、嵩山宿を目指します。道沿いには菜の花が満開で、姫街道の名前にお似合いの光景だと思いました。 この日は嵩山宿手前まで歩いて、父親に車で迎えに来てもらいました。

姫街道  姫街道

【姫街道3日目】 :豊鉄自由が丘バス停〜天竜浜名湖鉄道三ヶ日駅(8.5km)

豊橋駅から豊鉄バスに乗り、嵩山宿のすぐ手前にある自由が丘バス停から歩き出します。 嵩山は、たけやま、とでも読むのかと思っていたのですが、実際は「すせ」と読むそうです。実に変わった地名だ。

嵩山(すせ)の地名の由来
鎌倉時代に、中国の南宋から来日した高僧日顔禅師が、この地にやってきたとき、 風景が達磨大師に所縁のある嵩山に似ていたことから、この地を「嵩山」と名付けて、 正宗寺(しょうじゅうじ)を創建した。
嵩山宿は、静かな町並みなのですが、古い建物はほとんどなく、昔の宿場町の雰囲気は残っていません。 下の写真は嵩山宿本陣跡地にある宿場の案内板。 これから挑む本坂峠の案内地図も書いてあったので、じっくり読んでから峠越えへ進みます。

嵩山宿本陣跡

「姫街道」の碑を通り過ぎると本坂峠(ほんざかとうげ)の坂が始まります。 本坂峠は歩きやすい石畳になっています。この石畳はコンクリートで固められているので、新しい物でしょうか。

本坂峠入口  本坂峠石畳


「本坂峠」地名の由来
大化改新より以前の古代、現在の東三河地区は「穂国(ほのくに)」と呼ばれていました。 本坂峠は、遠江国(現在の静岡県西部)から穂国へ向かう際に越える坂であることから、 本坂峠の語源は、「穂の坂」峠が訛ったとか、「穂の境」峠が訛ったとの説があります。

途中に姫街道の説明板がありました。 説明板の横には椿(つばき)の花が咲いています。 姫街道本坂峠は椿の花咲く街道として知られています。 この説明板がある場所までは峠越えと言っても比較的緩やかな坂だったので、「何だ大したことないな」と油断していたのですが、 ここから次第にきつい峠越えへと変貌していくのです。

姫街道説明板  椿

左下写真は嵩山一里塚跡付近の様子です。 この辺りまで来ると、石畳なのか岩が転がっているだけなのか判別不能なくらい路面が荒れてきて、実に歩きにくいです。 また、右下写真は嵩山七曲がりを過ぎた辺りの様子ですが、 かなり急な上り坂が続き、脚が次第にパンパンになってきます。 気温は寒いのに、汗だくになりながら、息を切らしながら、一歩一歩登っていきます。

嵩山一里塚  嵩山七曲がり

ようやく本坂峠の頂上に辿り着きました。 看板には「本坂峠328M」と表示がありますが、歩いた実感は標高328Mより遙かにきつく感じました。 あ〜疲れた。お茶を飲み、どら焼きを食べて栄養補給をして、しばらく休憩しました。

本坂峠頂上

本坂峠は愛知県豊橋市と静岡県浜松市三ヶ日町との県境をなす峠になります。 本坂峠頂上でしばらく休憩した後、三ヶ日宿目指して本坂峠を下り始めます。 下り坂だから楽だろうと安直に思っていたのですが、これが上り坂以上に歩きにくい道です。 あちこちで倒木が道をふさいでいて、これを避けたり、飛び越えたりして歩きます。 また、石畳に積もった枯れ葉が滑って危ないので、一歩一歩足場を固めてゆっくり下っていきます。

本坂峠下り  本坂峠下り

本坂峠の三ヶ日町側には椿の原生林があります。姫街道は椿の花のトンネルを抜けていきます。 落ちた椿の花が石畳に多数散在していて、椿の絨毯みたいでした。

椿原生林
この本坂峠沿い百数十メートルにわたって広く椿の原生林が見られる。 樹齢200年以上のものもあり、1月〜3月にかけて美しい花が見られ、椿の花の隧道を踏みしめながら通行した昔がしのばれる。
(現地の案内板より)


椿のトンネル  椿の絨毯

椿の花  椿の花

椿の原生林を抜けると、次第に車の音が聞こえてきます。 ここまで鬱蒼とした森の中を歩いてきたのですが、間もなく突然パッと視界が開けて、峠越えも終わりです。 まぶしい太陽の下には、一面のみかん畑が広がっています。 姫街道は、みかんの産地である三ヶ日へと進んでいきます。

峠を抜けた


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