
ナースが時計を見て言う。
「そろそろ行くか。」
白ひげが椅子から立ち上がった。
「そうですね。船長が行けば一発で…」
「を探しに。」
「えっ?をですか?」
白ひげの言葉に、ナースは驚いた。
「でも、船長は船員たちと一緒に戦わ…」
「おれには行かなきゃならんところがある。
仲間を大切にするのが白ひげ海賊団、だろ?」
ナースの言葉を遮って、白ひげは言った。
そして、一人で島の中へと入っていった。
町に入ってすぐに、白ひげもあの酒屋に着いた。
躊躇いもなく、店の中へと入る。
「が買いに来るとしたら、この店に違いない。」
店に入ると相変わらずあの主人が座っている。
「今日は妙なお客が多いな。」
主人がボソっと呟く。
「店の中で一番高い酒をくれと言ったかと思えば、いきなり走って逃げてくお嬢さんに、旦那のような大男。
まったく面白い一日だ。」
白ひげは主人の言葉が気になり聞き返す。
「おい、その女ってのは、いつ頃来たんだ?」
「えーっと、たしか…1時間半前くらいだったはずだ。
私が倉庫に頼まれた酒を取りに行ってたら、その横を男と一緒に走ってったんだよ。」
「男…?」
「あぁ。男二人がお嬢さんを追い掛けるようにしてったよ。
若いっていいねぇ。」
白ひげの顔が曇った。
「そいつら、どっちに行ったか分かるか?」
「町のはずれの方だったよ。
でもあの辺には行かない方がいい。
悪さする若い連中が、年中たまってるからな。」
「ありがとう、おっさん。」
そう言って白ひげは店を後にし、町はずれへと向かった。
しばらく歩いた頃、少し大きな建物があった。
中からは若い男の声がうるさいくらいに聞こえる。
怪しいと思った白ひげは、建物に近付いて行った。
外壁を見て回っていると、いくつかの小窓があった。
覗いてみると、中は真っ暗だった。
「あっ…」
その中に、一つだけ小さな明かりが見える窓があった。
恐る恐る覗くと、中には一人、女の子が座っている。
「!!」
白ひげは思わず叫んだ。
「………船長?」
が窓の方に振り向くと、そこには白ひげが立っていた。
「船長…」
は窓に駆け寄り、小さく開かれた隙間から白ひげを見た。
「お前、なんでこんなところにいるんだ!!」
「ごめんなさい。
私が不注意だったせいで。
白ひげ海賊団の雑用として、恥ずかしいですよね。」
は涙混じりに言った。
「今はそんなこと言っている場合じゃない。
一体何が起きたんだ!
説明してみろ!!」
白ひげは、今まで見たことのないような剣幕で怒鳴った。
「私が酒屋に入ると、二人組の男がいて。
その人たちにお金を盗られそうになったから、逃げたら捕まえられてしまい。
この部屋に閉じ込められてしまいました。」
「を捕まえたやつは、この中にいるんだな?」
「多分いると思います。
さっきから向こうで人の声が聞こえるので。」
が指差す方を見ると、重そうなドアがあった。
白ひげはドアに近付き、一気に蹴り飛ばす。
ドーーーン
もの凄い音と共にドアが壊れ、床に倒れた。
その場にいた全員が、白ひげを見た。
「てめェは誰だ。」
そう言われても、白ひげは黙って歩く。
「黙ってねェで、なんとか言えよ!!」
周りから色んな声が飛んでくるが、見向きもせずに歩き続ける。
白ひげがのいる部屋の近くに来た時、を連れてきた男が言った。
「まさか、おれたちの女連れてくってわけじゃねェだろうな?」
「…………誰の女だって?」
白ひげは振り返り、男を睨んだ。
「もしかしてあのバカ女を迎えに来たのか?
あいつ、おれたちにはむかうからこうなるんだよ、なぁ?
お、お前…」
白ひげは男の胸ぐらを掴み、持ち上げた。
「それ以上喋ったら、命の保証はねェぞ。」
「うるせェ!黙れ!!
勝手に入ってきて、何言ってんだよ!!」
ドンっ
「…………ってェな」
白ひげが男を殴った。
「お前、そんなに命捨ててェのか?」
小さい声でそう言い、手を離す。
鈍い音と共に、男が床に倒れた。
「うおーーーーーっ!許さねェ!!!!!」
男は白ひげに殴りかかろうとするが、あっさり片手で止められてしまう。
「おれの言葉が聞こえねェのか?」
低い声で言った白ひげの目は冷たかった。
白ひげの覇気に圧倒され、みんな息を呑む。
もちろん、床に倒れた男も、あまりの迫力にその場から動けなくなっていた。
の待つ部屋へと一直線に向かう白ひげ。
鍵のかかったドアも、いとも簡単に蹴り倒してしまう。
「、待たせたな。」
「船長!!!」
は走って白ひげに駆け寄った。
白ひげの胸に顔を埋め泣きじゃくる。
それはまるで、初めて白ひげにあった時のようだった。
「、身体は無事か?
何もされてないか?」
「うん。でも、怖かった。
だから、船長が助けにきてくれて本当によかった。」
泣き止まないの頭を、白ひげは撫でた。
久しぶりに触れる白ひげの胸は大きくて温かくて。
こうしていると、少しだけ落ち着く気がした。
「帰るぞ。
もうエースたちも船に戻ってきてる頃だろう。」
「船長は一緒に行かなかったんですか?」
は不思議そうに聞いた。
「バカもん。
酒の使い一つに一時間半もかかるやつを放っておけるか。」
「ごめんなさい。」
「でも、おまえが無事で何よりだ。」
白ひげはを抱え上げた。
「おい、今あいつ『船長』って言わなかったか?」
「あぁ。しかも、『エース』とも言ってたぞ。」
「ってことは……」
「「エドワード・ニューゲート!!!」」
周りを囲んでいた男たちは事の重大さに気付き、いきなり慌て始めた。
しかし、当の本人たちは何も聞こえないかのように、出口を目指していた。
「おれはこのバカ娘を連れて帰らなきゃいけねェから先を急ぐ。
だが、次会ったときは覚悟しとけよ。」
白ひげは吐き捨てるように言うと、海の方へと姿を消した。
「まったく、心配させやがって。
酒の一つ買いに行くにもおれがついてかなきゃいけねェのか。」
「心配かけてすみませんでした。」
久しぶりに白ひげの部屋に入り、そして軽いお説教を受ける。
ベッドに座ったまま、は下を向いた。
「でも、おまえを一人で外に出したおれにも非がある。
すまなかったな。」
白ひげの言葉にはいつものような棘はなかった。
「そんな、船長のせいじゃないですって!!
私もあの時一人になりたかったから、自分から外に出たんです。」
「一人になりたかった…?」
白ひげの問い掛けに、はコクンと頷く。
「だって船長、いつも私にだけ冷たいから。
なんだか寂しくなって。
それでも船長は私を救ってくれた大切な人だから信じてたけど。
でも、やっぱり寂しいものは寂しいんです。」
「ふぅーっ」
白ひげは大きく息を吐くと、を持ち上げ、自分の膝の上に乗せた。
「おれがお前を嫌いだとでも思ったか?」
「…えっ?」
は白ひげの顔を見上げる。
「おれは愛情表現が苦手でね。
自分の感情をコントロールするのはもっと苦手だ。」
は訳も分からず、ポカンとしている。
「もしそれでに嫌な想い思いをさせちまってたんなら謝る。
すまなかった。
お前、どんどん綺麗になってったからな。
会ったときはあんなに小さかったのに。
あのままの距離を保ってたらいつかを壊しちまいそうで。
大切な人を壊したくはないからな。
すまんな、。
辛い思いさせちゃったな。」
白ひげは、一言一言丁寧に話した。
はそんな白ひげの想いを聞いて、胸が熱くなっていた。
「船長、私船長のこと信じてたよ。
だって、あんなに優しくしてくれた。
あの日船長が来てくれて嬉しかった。
いつも私のことを心配してくれて、それがとても嬉しくて。
だから、ずっと船長のこと信じてたんだよ!!」
は心配に抱き着き、背中に腕を回したが、白ひげの厚い胸板では、両手が届かない。
それに気付いた白ひげも、の背中に腕を回した。
「おれもに出会えてよかったと思ってる。
お前がこの船にいてくれて、本当に嬉しいんだ。
、ありがとう。」
白ひげは、少し頬を赤らめてそう言った。
「じゃぁ、感謝してるのはお互い様だね。
これからはちゃんと、私にも優しくしてね!」
はそう言うと、白ひげの頬にキスをした。
「……?!」
突然のことに、白ひげは目を丸くした。
「これで仲直りね!」
「……」
「キャっ!!!」
次の瞬間、は白ひげに抱きかかえられていて、そのままベッドの上に連れて行かれた。
「何するんですか?!船長!!!」
「がそんなに可愛い顔してるのがいけない。」
「もー、そんなの言い訳になってないじゃないですか、船長!!」
「いい加減もう船長って呼ぶのはやめろ。」
「分かったからエディ!!」
「やっぱり久しぶりにそう呼ばれるといいな。
もうどこにも行くんじゃないぞ、。
グララララララ……!!!!」
end...
≪あとがき≫
読んでくださって、どうもありがとうございましたヽ(=´▽`=)ノ
今回はキリ番を踏んでくださったキバ子さんのキリリクでした☆
白ひげ、ガープ、クロコダイル、ドフラミンゴ、くま…の中からということで、
キバ子さんがずっと望まれていた白ひげをチョイスしてみました(/・ω・)/
初めて白ひげの夢を書きましたが…難しい!!!
何が難しいかって、出演回数が極端に少ないので参考資料が少ない!!!!
なので、ほとんどが管理人の妄想です(;´▽`A``
きっと正しくない!!!
でも精一杯書いたので、大目に見ていただけるとありがたいです(・・;)
リクをしてくださったキバ子さん、本当にありがとうございましたo(*^▽^*)o~♪
そして最後まで読んでくださった皆様、どうもありがとうございました。.:♪*:・'(*⌒―⌒*)))
08.07.25 涼華