彼は蝶 自分は蜘蛛だった。
貪るように噛付き、ぼろぼろにして行くのだ。

銀糸
地下牢には一人の男が捉えられて居た。
「・・・ッ誰か!」
男の名は劉備と言い、劉備は喘ぐように度々叫んだが当然の如く助けは来ず。
涙は枯れ掛け、喉は張裂けそうだった。
毎日三度簡素であるが飯は来るものの、其れは喉を通ってくれる筈が無かった。

――魏軍との戦いに敗れ深い森に逃げ込んだ。
否、曹操の手中に迷い込んだ。
罠に掛かり捕虜とされ、今に至る。蜀は大騒ぎであろう。
劉備は毎晩のように曹操に犯されていた。彼は猛っていた。狂っていた。
「・・劉備、如何だ此の気分は」
「・・・・ッは、あ・・」
「・・一国の主君が毎晩毎晩敵国の主君に犯される気分は?」
「・・・ひぁ!ん・あッ・・・?!」
気分は如何だ、と問われても最悪だ、と答えるしか無い。
完全に敵視している相手に犯されるなんて吐気がする。しかも男に。
初めは快感さえ味わった。しかし今は殆ど只の痛みしか感じ無い。感じられ無い。
何故自分を抱くのかと問うと、彼は「お主が好きだからよ」と言ってくれた(劉備はちっとも嬉しく無かったが)。
―――愛は有るのか。毎晩の此の行為に。
もう少し優しくしてくれたらこっちの心にも恋心が芽生えたかも知れないのに。

彼は自分を貪る。
獲物を捉えた、蜘蛛の様に。
自分は彼に貪られる。
力無く蜘蛛の巣に張付けられた、蝶の様に。


蜀国では、諦めたかの様に主君の訃報が渡ったと云う。



・・暗め系のがかきたかったんです・・・!orz
なんかもうさいごグダグダだね!うん、はは!orz