―――ずっと、傍に
――――居てください。

雪桃香 ゆきもものか

それは、或る穏かな春の日だった。
『曹操殿、一緒に桃を観に行きましょう』
曹操は、いきなりの予想外の言葉にパニック状態に陥っていた。
しかもその言葉は、愛しの劉備の口から発せられたのだ。
なんとか花見の約束を取り付けたが、相手からは初めて誘われたので、気が動転していた。
『楽しみですね』
劉備の笑顔が脳裏に焼き付く。

当日。
昨晩から眠れなかった曹操は、約束の時間より一刻半も早く待ち合わせ場所に居た。
しかしこの春の陽気には勝てず、少しばかり眠ってしまった。

――「曹操殿?」
誰かが自分の事を呼んだかと思えば、劉備の顔が目の前に有った。
「……!!?」
「こんな所で寝てしまうと、寝首を掻かれますよ?」
(おぬしに寝首を掻かれたわ…)と思いつつ、劉備に出発を促す。
「これから行く先は、私以外誰も知らないんですよ、きっと」
「…そうなのか」
これで心置きなく…と不健全な事を企む。知らずに顔がにやけるが、なんとか平常心を保つ。
暫く歩くと、桃の香が鼻を擽ってきた。
「もうそろそろです…ほら!」
「…ほう…凄いな」
辺り一面、桃色の世界だった。
――やはり誰も居ないらしい。人気が無い。

―――暫く談笑し、楽しげだったと思いきや。
「…ここは…私の父が教えてくれた、秘密の場所なんです」
劉備が少し悲しそうな(曹操には愛しい)表情をした。
「…そうか」
――が、やはり曹操は理性を抑え切れず、遂に彼を胸に抱き締めた。
「…ゎ…っ 曹、そ…」
「…何も言うな」
「……」
二人は、かなりの間このままだった。

ふ、と。
頬に何か柔らかいものが触れた。
季節外れの雪だった。
「雪…か?」
「…父との最後の晩も…っ雪…でし…た…っ」
眼に涙を溢れさせ、しゃくりあげながら答えると、もう曹操の理性は何処かへ弾け飛んだ。
「劉備…」
曹操は劉備と眼を合わせた。
「大丈夫だ…わしがついておる…」
「そ…う、操…どの…っ」
二人は、雪と桃の花弁の舞う中で、想いを分かち合うように口付け合った。
「曹操殿…」
「……」
曹操の眼は、貰い涙で濡れていた。
「ずっと…傍に居てくださいね…」
「……」
曹操は何も言わずに彼をそっと、先よりも力を込めて、抱き締めた。



ああもうなんか・・・・・はがゆい(なんで
思ったことをうまく文字に変えられないんですよ・・・!泣
・・桃のきせつに雪ってありえるんでしょうかね?汗