
あなたは、愛する人と何を望みますか―――?
媚薬
「くしゅんっ」
或る冬の寒空の下。
透き通る空気の夜空を見上げていた劉備が、一つくしゃみをした。
「風邪でも引いたかな…」
もっと煌く星々を眺めて居たいが、風邪が悪化してしまう前にと部屋の中へ戻った。
翌日――
「ゔゔ…」
やはり昨夜は外に出過ぎていたらしい。鼻が詰まり喉が痛かった。
「殿!大丈夫ですか!!」
「おお、趙雲、孔明」
趙雲が粥を持ってやって来た。諸葛亮も趙雲を睨みながら後ろに居た。
「粥を作って来ました。これで早く風邪を治してくださいね」
「私も、殿が早く元気になるよう祈っていますから!」
「あぁ…二人ともありがとう」
劉備は喘ぎつつ、二人の心を擽る笑顔を見せた。
「「…!!し、失礼致します」」
今にも崩れそうなこの愛しい人を抱きたいが、邪魔者が居る為此処は素直に引き下がった。
二人が出て行った後粥を啜っていると、劉備に客人が来訪したという伝令が聞こえた。
廊下を行く人の噂によると、なんでも蜀が一番嫌っている人物だそうだ。
心当たりも無く誰だろうと思っていると、聞き覚えの有る声が自分を呼んだ。
「劉備、入るぞ」
「は、はい」
もしやと思いつつ、入ってきた人物を見上げると予想通りの顔が目に入った。
「曹操殿…」
「何だ、不満そうだな。折角見舞いに来たのに」
と、劉備の頭の近くに置いてある薬が目に入った。
「劉備、まだ薬を飲んでおらんのか」
「あぁ、はい。何も食べずに飲む訳にはいきませんので」
「粥は食べたのか?」
「まぁ…少しは」
食べかけの粥を見、曹操は何かを企みつつ言っていた。
少しの沈黙の後、また悪戯のように劉備に言った。
「儂が…薬を飲ませてやろうか?」
「…へ?な、なにを…」
劉備は戸惑い困惑の表情を浮かべた。
曹操は遂に言った。
「口移しでな」
「…?!!」
「口移しならば風邪も儂が持って行けるだろうし」
「そ…んな、いいですよ、別に」
「遠慮は要らん」
風邪を引き抵抗力の低い劉備を良い事に、曹操は思惑通りに事を進めた。
曹操は薬包紙の中の粉末と水とを、自らの口の中に流し込んだ。
こうなってしまっては仕方が無いと、劉備は仕方なく口を少し開いた。
「…っ」
柔らかい唇が重なり合った。
曹操にとっては媚薬を、愛しい彼の口に流し込んだ。
「は…ぁっ…」
薬を口移しただけにしては長すぎる接吻に、唯でさえ呼吸が乱れている劉備は何時もより喘ぐ。
それを愛しいと思ったのか、曹操は再び口付けようとする。
だが。
「曹操…どの…っ」
劉備のまだ呼吸が整っていない声が遮る。
貴方に移った風邪が、更に悪化するといけない、と。
それは、劉備の優しさだった。
曹操は、ふ、と微笑み、
「…また会おう」
と言い、劉備が礼を言う間も与えず寝室を出て行った。
「……」
劉備は、只普通に思った。
口移しはどうかと思ったが、結構、優しいんだなぁ、と―――
「また会おう」=「またおそいにくる」なのです!!(なんで
なんかもう、長すぎるし、アレですね、文脈が(つ▽`゜)